歯周病は歯を失うことに
つながるこわい病気です
実は歯周病は、日本の成人が歯を失う原因の第1位。知らぬ間にどんどん進行してしまいます。そうなる前に、お早めに福岡市博多区那珂5丁目の歯科医院「もりさき歯科クリニック」にご相談ください。
目次
それって歯周病です！
30歳を過ぎた成人の約8割がかかっているといわれる歯周病ですが、実際にどのような病気なのかご存知ない方も多いのではないでしょうか。
歯周病は細菌の感染による病気で、歯ぐきや歯を支えている骨などが溶けてしまう病気です。歯みがきがうまくできておらず、汚れが取り除けていないままにしておくと、細菌が溜まり炎症を引き起こします。初期段階では歯ぐきが腫れるだけでも、進行していくとただれたり強い痛みを感じたりして、最終的には歯を抜かなくてはなりません。
また、歯周病は歯ぐきの炎症の総称にあたり、正確には歯肉炎と歯周炎に分けられます。歯肉炎とは、歯ぐきに炎症が出ている状態、歯周炎は歯を支えている組織や骨に炎症が出ている状態のことを指します。
その原因と進行リスク
歯周病を引き起こす詳しい原因と、進行するリスクのある環境や行動について解説します。
原因
歯周病の原因は口の中の細菌です。そもそも、口の中には約300～500種類もの細菌がいるといわれており、お手入れを怠ると細菌が繁殖していきます。歯みがきをしないで寝たり、糖分がたくさん含まれる食べ物を口にしたりすると、細菌が繁殖していきます。
お口の中のお手入れを怠ると、歯垢（プラーク）ができてしまいます。この歯垢には、1㎎あたり約10億個の細菌がいるといわれており、これが歯周病の原因なのです。
この歯垢が結束し合い、歯と歯ぐきの間の小さな隙間に入り込み、毒素を生み出します。この毒素や細菌を体内からなくそうと体の免疫力が働きますが、この結果歯ぐきの周りで炎症を引き起こし、痛みや腫れが発生してしまいます。
体の免疫力が打ち勝てばいいのですが、毒素や細菌が有利になった場合に、歯周病が発症したり進行したりしてしまいます。
進行リスク
歯周病を進行させるリスクのある環境や行動として、まずは口腔内の環境が挙げられるでしょう。直接的な原因ともいえる歯垢があることはもちろんですが、歯にフィットしていない被せ物（クラウン）がある環境も好ましくありません。被せ物がフィットしていないと、周りや隙間に細菌が入り込みやすくなります。
また、歯並びの乱れや歯ぎしり、食いしばりも歯周病リスクの高い状態。歯並びが悪いと歯みがきで汚れを取りにくくなり、お手入れしていない歯が存在してしまいます。歯ぎしりや食いしばりは、歯に大きな負担がかかることが問題です。
生活習慣や行動の面では、喫煙や食生活、糖尿病が高いリスクを持っているといえるでしょう。喫煙をすると、全身の血管が収縮するので口の中の血流も悪くなります。そのため、細菌や歯垢に対する免疫力が低下し、打ち勝つことができません。
食生活の面では、柔らかいものや甘いものの食べ過ぎが危険です。柔らかいものや甘いものは歯に付きやすく、口の中が不衛生な状態になりやすくなります。該当する食べ物を食べた場合はお手入れを念入りに行いましょう。噛む回数が少ないことや、食事の時間や内容に偏りがあるのも歯周病リスクに繋がります。
また、糖尿病を患っている方は要注意です。体の免疫力が低下している状態なので、細菌や歯垢ができた場合に打ち勝つことができません。他にも、口呼吸や高いストレスが歯周病リスクに繋がると考えられています。
歯周病チェックシート
歯周病は初期段階では痛みがなく気付きにくいため、進行してから発覚するケースも少なくありません。簡易的なものではありますが、歯の状態が健康かどうか、以下のチェックシートを使って確かめてみてください。
もし、当てはまるものがあった場合、歯周病の可能性があると判断されますので、お近くの医療機関で診断を受けることをおすすめします。
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全体的な口の状態
- 口臭が気になる･指摘されたことがある
- 起床時にネバつきを感じる
- 歯みがきをすると出血してしまう
- 冷たいものが染みる
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歯肉や歯ぐきの状態
- 赤く腫れあがっている
- 位置が下がって歯が長く見える
- 押すと血や膿が出てくる
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歯の状態
- 歯の間に物が詰まりやすくなった
- 浮いたり揺れたりする
- 歯並びが変わってきた
歯周病の進行
歯周病にはいくつかの進行段階があります。進行段階ごとに、どんな症状が出るのか解説していきます。
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軽度の症状
初期段階の歯周病では、痛みよりも腫れが強く出る傾向にあります。まずは、歯ぐきに炎症が出る歯肉炎になりますが、歯ぐきが厚く腫れて歯みがきをすると出血することがあるでしょう。この段階で治療をすれば、歯みがきや歯石を除去するだけで健康な状態に戻ることが可能です。歯肉炎が進行すると、歯ぐきのみならず歯を支える骨や組織にまで炎症が広がっていきます。歯ぐきが腫れて出血することがあり、歯と歯ぐきとの間は3～4㎜開いた状態になります。
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中度の症状
歯周病中度では、歯を支えている組織や骨の炎症が進み、破壊が始まります。歯と歯ぐきとの間は4～5㎜程度に広がり、痛みを感じる人も増えてくる段階です。中度まで進行してから、歯周病を自覚する人も非常に多いのが現状です。
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重度の症状
さらに炎症が広がった歯周病の重度や末期の状態では、歯ぐきはぶよぶよになり押しただけで血や膿が出てきます。口臭がきつくなったり、歯が揺れたりぐらつきを感じたりするのもこの段階。歯ぐきはさらに下がり、歯が長くなったように見えたり、歯並びが昔と変わったように見えたりするなど、明らかな変化が現れます。歯と歯ぐきとの間は5㎜以上も開き、放置すると勝手に歯が抜けることもあります。
歯周病治療の流れ
歯周病を治療する流れを見ていきましょう。
1. 汚れの除去や投薬・指導など
まずは歯周病の原因となる歯垢を取り除きます。軽度であれば、歯垢の除去と歯みがき指導などで終わることもありますが、進行具合によっては膿の除去作業なども行います。
また、歯周病の検査を行ったり、今後の治療の方針を決めたりします。
2. 器具を使って歯垢を除去
続いて、歯ぐきのふちにある歯垢や歯石を、器具を使って取り除きます。一通り歯垢を取り除いた段階で、再度検査や状態を観察します。もし、この段階で状態良好だと判断されれば、治療ではなくメインテナンスや定期的な検診に移行されます。
3. 歯周外科手術
2. の段階を何回か繰り返し、歯周病の改善を目指します。それでも改善しなかった部位があったり、重度だと判断されたりした場合は、手術を行うこともあります。歯ぐきを切開し、奥まで入り込んでしまった歯石や歯垢を除去します。
歯周外科手術としては、医療の進歩によってさまざまな方法が取り入れられてきました。しかし末期状態の歯周病を治療することはほぼできません。
4. メンテナンス
歯周病が治っても油断は禁物です。せっかく歯石や歯垢を取り除いて健康的な状態になったとしても、お手入れを怠れば再発してしまします。今後、歯周病にかからないようにするために、定期的な検診をする必要があります。
Pick Up！－歯周病の予防・定期検診のすすめ－
歯周病は一度治ったから再発の可能性がなくなる病気ではなりません。そのため、歯周病の治療が終わったあとも、予防や定期検診を継続することが重要です。痛みや違和感を感じないと歯科医院に行かない方は多いかもしれませんが、歯周病は予防が肝心な病気です。何度も歯周病で苦しい思いをしないためにも、定期的に検診や検査を受けることをおすすめします。
また、歯のクリーニングを行うことで、快適な日常を送ることができるでしょう。いつまでもご自身の歯で食事やおしゃべりを楽しむためにも、メンテナンスを行ってみてください。
歯周病に関するQ&A
- Q歯周病は全身の病気に繋がる可能性がありますか？
- A
口の中は身体の部位の中でも敏感な組織だといわれています。研究者の間では、全身の病気と歯周病の関連性が指摘され始めています。歯周病の原因となるのは歯垢ですが、これが発生する大きな要因は歯の環境や日常生活の習慣によるものです。そのため、歯周病にかかる方は生活習慣などに問題があることが多く、全身疾患にも繋がってしまうのです。
中でも糖尿病は、歯周病との関連性が深いと考えられており、症状を進行させる原因であるともいわれています。歯周病や全身の病気にかからないようにするためにも、今一度生活習慣を見直し、健康的な日常を送るように気を付けてみてください。
- Q日によって歯や歯ぐきの調子が違う気がするのはなぜですか？
- A
歯ぐきの腫れは慢性的なものなので、一時的に症状として現れることが多いとされています。そのため、歯みがきの際に出血があるときとないときがあるのです。腫れが弱まっていれば出血せず、腫れが強いときには出血してしまう状態なので、毎日ムラがあると感じるのでしょう。
また、細菌は夜間に活性化し、繁殖します。夜寝ている間は唾液の流れが悪くなり、口腔内が乾燥しがちになることが原因です。さらに、歯ぎしりや食いしばり癖も、歯や歯ぐきへの大きな負担となってしまいます。眠る前の歯みがきはいつも以上に丁寧に行うといいでしょう。
- Q歯みがきで気を付けたほうがいいことはありますか？ また、歯石取りはどのくらいのペースで通うのでしょうか？
- A
歯みがきするときに大事なのは、全ての歯を磨けていることです。定期健診などで歯みがきの指導をされることがありますが、その際にしっかり全ての歯を磨けるように学んでおきましょう。また、歯石取りに通うペースですが、1年に3～4回を目安にしてください。ただ、歯みがきの仕方や個人の体質によって歯石がつくペースに差があるので、かかりつけ医と相談しながら決めるのがベストです。
歯石取りの際に、チクチクとした痛みを感じることがありますが、これは歯と歯ぐきの間の深さを測っているからです。我慢できない痛みであれば表面麻酔などを用いることも可能なので、相談してみてください。
- Qどのようにして歯周病は予防できるのでしょうか？ また、歯周病は何歳くらいから発症することが多いですか？
- A
歯周病予防としては定期的に歯科医院で検診を受けることをおすすめします。定期的に通うことで、歯周病の早期発見だけでなく虫歯の予防や歯のクリーニング効果が期待できます。口腔内の病気を未然に防ぐためにも、定期的に歯科医院に通うといいでしょう。
また、歯周病は一般的に40歳前後に発症しやすいといわれています。歯周病の原因ともなる歯垢は歯が生えた時点から蓄積する可能性がありますので、歯が生えたころから気を付けておくといいでしょう。
- Q電動歯ブラシと普通の歯ブラシ、どちらを使うのがいいですか？
- A
個人のライフスタイルや歯みがきの仕方などが異なるので、一概にどちらがいいと決めることはできません。電動歯ブラシのメリットは、歯垢の除去効果が高く、短時間で高い効果を得られることです。一方、普通の歯ブラシは細かい動きや絶妙な力加減を調整できるのがメリットでしょう。
ただ、どちらの歯ブラシを使っても間違った磨き方をしていると、歯周病を防げないだけでなく、歯肉を傷つけてしまうかもしれません。電動歯ブラシと普通の歯ブラシ、どちらの歯ブラシが自分に適しているか知りたい場合は、歯科医院や歯科衛生士に相談してみてください。